日本のモノづくりを支えたシャープを買収した台湾の”ホンハイ精密工業”とは??

シャープが台湾の会社に買収される…

そんなニュースを連日見ることが多くなりましたがシャープといえば日本の大手電機8社の一角です。(日立製作所、パナソニック、東芝、三菱電機、ソニー、シャープ、NEC、富士通)

この大手電機メーカーに入社すれば安定した人生は約束され”勝ち組”と称されていましたが、6000人規模のリストラを開始し、その狙いは40代以上の社員とされています。40代といえば子供がいればちょうど高校から大学の時期ではないでしょうか??

 

もっとも家計が苦しくなるときにリストラを6000人規模で敢行されるというのだからシャープの社員はおびえることがおおいでしょう。

近年、グローバル化にともない外国資本の会社と同様に年功序列のシステムから能力主義に移行していきましたが日本では年功序列のシステムがまだまだ残っているのも事実です。特に大手電機メーカーの40代社員層というのはどっぷりと年功序列で今までサラリーマン生活を送っています。

それが”ホンハイ精密工業”に買収されることによって日本の独自の文化でもあった”年功序列””終身雇用”の制度は崩れ、使えない社員はクビになり、大手企業に勤めているという肩書きがなくなろうとしているのです。

 

日本の産業を支えたシャープを買収したホンハイ精密工業とはどのような組織なのでしょうか??

詳しく見ていきます。

 

テリーゴウ会長ってどんな人物?

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郭台銘(かく たいめい、1950年10月8日-)

台湾の実業家

鴻海精密工業(鴻海精密工業有限公司)

現鴻海グループ(鴻海集團、Foxconn)を部分的に所有する。

山西省をルーツに持つ外省人である。

日本でも英語名のテリー・ゴウで呼ばれることがある。

1966年に台湾の「中国海事専科学校」に入学したが、家が貧しかったため、働きながら苦学して卒業した。兵役を終えると「復興航運公司」に入社。

1974年「鴻海塑膠企業有限公司」を創業、プラスチック製品の製造にあたり、白黒テレビのチャンネル用の押しボタンを製造し始めた。

1975年には社名を「鴻海工業有限公司」と改称。

1977年に黒字転換すると、すぐに日本から金型を生産するための設備を買い付け、これがその後の成長の礎となった。その後、電気メッキ部門やプレス工場などを相次いで設立。

80年代に入ると金型技術を基にして、パソコンのコネクタや筐体を製造する業務へと移行し、「大量生産、安価」路線で市場シェアを伸ばした。

1982年には再び「鴻海精密工業股份有限公司」と改称。

1985年には米国子会社を設立、その後は「FOXCONN(富士康)」のブランド名とともに順調に成長を続けている。

一代で売上高15兆円もの巨大グループを築いたテリーゴウ会長は、徹底した“成果主義”で知られ、豪快さと綿密な計画性を持つ人物です。

 

テリーゴウ会長の豪快なエピソードとしては妻の35歳の誕生日プレゼントに10億台湾元(約32億円)の大豪邸を購入したものがあります。

そして今回の仕事でも綿密な計画のもとシャープを買収していますがテリーゴウ会長の創った”ホンハイ精密工業”とはどのような会社なのでしょうか??

ホンハイ精密工業とは?

スマートフォンや薄型テレビなどの電子機器を受託生産するEMS(Electronics Manufacturing Service) 企業の世界最大手であり、台湾に本社を持つフォックスコン・グループ(鴻海科技集団)の中核会社です。

日本人の知る主な顧客としては、米アップル、ソフトバンクグループ、ソニーなどがあげられます。アップルのスマートフォンである「iPhone」のほか、ソニーや任天堂の各種ゲーム機や、ソフトバンクグループのヒト型ロボットである「 Pepper」などをも手掛ける日本と密につながっている企業です。

なぜホンハイ精密工業がシャープを買収したのか??

それはシャープの主力事業であった液晶パネル生産に関する技術とパネルの生産工場であり、シャープという企業を本質的に欲しがったわけではありません。単一工場としては世界最大で、最新鋭の第10世代の液晶パネル工場である堺工場(大阪府堺市)を保有することで”ホンハイ精密工業”を更に上へ上へと押し上げようという思惑があります。

テリーゴウ会長は「シャープを解体するつもりはなく、今後100年存続させたい」と、シャープを一体で再生する方針を言明しています。なのでシャープのブランドは維持する方針であり、他の企業との統合の可能性を否定しています。この買収による実態を端的に表すとシャープの主力事業である液晶以外は興味がないから自由にしていこうといったところです。

 

まとめ

これから更に世界規模で会社が買収されていくという事態は頻繁に起こっていきます。シャープがホンハイ精密工業に買収されたようにアサヒビールも海外のビール事業を買収する動きを活発化させています。グローバリゼーションが進むにつれて世界規模で”戦国時代化が進んでいくのは間違いのない未来です。

 

会社に頼らずとも生きていける能力がこれからの時代にはどのような組織に属するのであれ必要なことになりそうです。

 

テリーゴウ会長について知りたい方はこちら

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